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葉室麟『峠しぐれ』 [書評]

葉室麟の『峠しぐれ』を読みました。さすが、葉室麟、相変わらず達者なものです。本当に惜しい人を亡くしたものだと思います。

岡野藩領内で隣国との境にある峠の茶店。小柄で寡黙な半平という亭主と、「峠の弁天様」と旅人に親しまれる志乃という女房が十年ほど前から老夫婦より引き継ぎ、慎ましく暮らしていた。たまたま茶店で休憩した5人の親子連れが、後に、城下にて盗人に疑われたことから、事件に巻き込まれる。その盗賊の一味に襲われたことで、茶店の主人半平が相当な剣の達人であり、元武士であることがわかる。なぜ、武士を捨てたのか、話は十五年前に遡る。
志乃が嫁いだ天野宮内は、藩の権勢を握る過程で、他の藩士を殺害するが、それを知った志乃を亡き者にしようと謀る。偶然、志乃を助けた半平は志乃とともに出奔したのだ。
ところが、それから15年、今度はその天野が反対勢力により閉門蟄居のうきめにあうのだが・・・。

その天野宮内が、自らの過去を後悔しながらも語る
「いかにも、ひとの縁というものは不思議だな。結ばれるべき縁は結ばれ、離れるべき縁は離れていく」

と言う言葉はいいですね。

女盗賊、夜狐お仙と娘ゆり、志乃と娘千春との間の情感がうまく描かれている。
最後は、意外にあっさりしている。もう少しこったラストでも、よかったのですが・・・。


峠しぐれ (双葉文庫)

峠しぐれ (双葉文庫)

  • 作者: 葉室 麟
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2017/10/15
  • メディア: 文庫



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